ランチェスター戦略とは

ランチェスター戦略というのは、スピードや資本力、数だけに頼らない、論理的なマーケティング戦略の方法論です

 

元来は、1914年にフレデリック・ランチェスターさん(1868〜1946)が発表した戦闘の数理モデルです

戦争をするときの戦略、兵法ですね

 

 

1914年に勃発した第一次世界大戦のときに、ピタゴラスの定理にインスパイアされて第一法則と第二法則の2つの軍事的法則を考察、発表しました

 

それが、これってマーケティングとか経営戦略とかにも使えるんじゃね??ということでビジネスの分野で使われ出しました

(平和的でとても良いと思います!)

 

日本では発表から約40年後の1955年に「オペレーションズ・リサーチの方法」という翻訳書が出版されてから注目を集めるようになりました

 

その後、田岡信夫氏により1972年に「ランチェスター販売戦略」を出版し、ランチェスター戦略は更に普及していきます

 

ちなみに、戦争のための戦略であるランチェスターの法則をマーケティング戦略として生まれ変わらせたのは日本です

(平和的でとても良いと思います!)

 

最近出てきた方法とかではなく意外と昔からあるんですねw

ランチェスター戦略には第一法則と第二法則がある

まず、大前提として

その分野でシェア率1位の企業を強者!!!

その分野でシェア率2位以下の企業すべてを弱者………

 

と定義します

第一法則

第一法則は弱者のための戦略になります

 

弱者のための戦略と言うか、わざと範囲を狭めての局所戦の戦略になります

 

中小企業がとるべき戦略ですね

 

何故、局所戦の戦略が、弱者のための戦略になるかと言うと量的経営資源の乏しい弱者は局所戦でないとあらゆる資本で圧倒的に勝る強者に勝てないからです

 

局所戦の場合

 

企業力=質×量

 

といった、比較的単純な式になります

 

質といっても多岐にわたります

情報力、技術開発力、製品やサービスの品質や性能、ブランド力、顧客対応力、社員の能力などの質的経営資源

 

量も同じく多岐にわたります

社員数、開発技術者数、販売経路の数、設備の数、売り場面積などの量的経営資源

 

弱者は量的経営資源はなかなか増やせないので質を高めて局所戦で勝つ!!!という戦略になります

 

弱者は局所戦の方がまだ勝ち目があるというのは第二法則も合わせて見ていただければ更に納得出来るかと思います

 

で、何の範囲をわざと狭めて局所戦とするのかというと、、、いろいろあります

 

特定の製品、サービス、デモグラフィック属性の顧客層・顧客、地域、販路といったものですね

第二法則

第二法則は強者のための戦略になります

強者のための戦略というか広域戦での戦略ですね

 

広域戦の場合

 

企業力=質×量^2

 

となり、より量的経営資源が重要になります

 

だからこそ元々量的経営資源が豊富な強者(大企業)が有利なわけですね

 

資本力の乏しい中小企業やベンチャー企業では、対象を特定せず、すべての消費者を対象にして画一化された方法を用いるマスマーケティングでは勝ち目なし!!!ってことです

 

 

他には、強者の戦略としてミート戦略というものがあります

ミート戦略

ミート戦略とは、1ランク下の敵(足下の敵)が知恵を絞って差別化を図り、質の良いものを出してきたらそれを盗み、圧倒的量的経営資源でより良く改良し更に差別化をして出すという戦略です

 

圧倒的量的経営資源があり、販路も豊富なため拡散力があります
1ランク下の敵(足下の敵)の差別化を無効にしつつ士気も奪う非人道的な戦略です、、、w

 

この構図よく見ますよね………

マーケットシェア理論

ランチェスター戦略に於いて弱者と強者というのはシェア率でわけられますが、このシェア率で7つの段階にわけられます

 

73.9%・・・圧倒的且つ独占的 自滅でもしない限り安泰

41.7%・・・強者の条件として多くの企業の目標 値引きなどの消耗戦に巻き込まれず、収益力で他を圧倒出来始める

26.1%・・・強者の最低条件 まだまだ安定はせず、弱者から下克上されかねない

19.3%・・・弱者の中の強者 追い抜いたり追い抜かれたりの状態

10.9%・・・ようやく市場全体に影響を及ぼせるようになり、シェア争奪戦参戦!!!といった状態

6.8%・・・やっと競合他社に存在を認識されるレベル 市場への影響力はなく、撤退の目安とされる

2.8%・・・誰にも認識してもらえない状態…新規参入時の最初の目標になる ここから弱者としての戦略開始となる

 

 

こういったランチェスター戦略などの理論はそれだけ知識として知っていてもあまり意味がありません

 

他にも、プロダクトライフサイクル理論やらイノベーター理論やらキャズム理論など様々ありますが、そういった机上の理論を自身のケースに当てはめて柔軟に対応して行く必要があります