世界最古で最長の王朝-日本

普通に日本人として暮らしていると気にすることはありませんが、日本は世界最古、且つ世界最長の王朝としてギネスに登録され現在も記録更新中だったりします

 

 

日本の始まり

初めて国としての日本が語られたのは中国の後漢の歴史書「後漢書」という書物の中に「」として出てきます

これが3世紀くらいです

それからなんやかんやあって「日本」という国名が出てくるのが唐の歴史書「唐書」の中です

これが唐の武 則天(則天武后)の時代なので8世紀あたりですね

8世紀頃の日本というのは、ちょうど平城京に遷都(710年)されて奈良時代が始まったあたりでしょうか

つまり、2世紀か3世紀あたりから「」という国名を名乗っていて、8世紀あたりに「日本」という国名になったということですね

世界最古で最長の王朝-日本

先ずはこの図を見て頂きたい

世界最古の王朝-日本

一番下が日本ですが、日本だけが唯一途切れず続いています

 

更に、「古事記」や「日本書紀」に書かれている神武天皇が実在していたとするならば皇室は2600年以上も続いてきたことになります

しかし、神話すぎて神武天皇が実在していたかどうかは議論のわかれるところではあります…

ということで、歴史的に存在が確実視されている第26代の継体天皇を初代天皇としたとしても1500年続いていることになり世界最古、最長王朝であることは揺るぎません

王朝が続くと何故良いのか

ただ長く続いているだけじゃんwwと思われそうですが、文化的側面から見ると大きなメリットがあります

王朝が倒され支配者が変わるとそれまでの税収システムや文化、宗教などが一新されます

前王朝の有力者を処刑したり焚書したりもしますよね

別に前のままでもいいじゃんと思いますが、君主というのは往々にして承認欲求が強いもので、新しくなったから見て!!わかって!!!という民へのアピールをしがちです…

そのため可能な限り大きくわかりやすく変化させたいのでしょう

そんなことを頻繁にやっていたら文化的発展も望めず、民族意識というのも育ちにくいわけです

外国からは理解され難い日本人の尊血主義の是非は別にして、大枠のシステムは固定されていた方が文化的資産は蓄積され文化の発展はしやすいのでしょう

茶道や華道などの芸事の家元システムも同じ理由で存在しています

代が変わる度に作法が変わってしまったら流派が分裂してしまい長続きしませんからね

 

なので大枠の王朝は長く続いた方が混乱も少ないですし、文化的発展や民族意識の醸成に於いて有利というわけです

国内での小競り合いはあるでしょうが…

「王室」「皇室」の違い

日本の皇室はよく諸外国の王室と同列に語られますが、実は違うものです

 

「皇室」というのは先の通り「尊血主義」によって存続しているものです

血統により守られ、存続してるということです

要は「世襲君主制」です

 

翻っての「王室」というのは戦い、勝ち取ったものです

血統などはまったく関係ありません

世界史対照年表の図の通り、王の子供が王位を継ぐことはあっても長くは続きません

世界史対照年表

弱肉強食の世界なので「一番強い奴」が王でなくなれば王は王位から引きずり下ろされます

主に暗殺やクーデターによって

故に、親子間や兄弟間であっても油断はならず、疑心暗鬼になり、無意味な強攻策に出て自滅…ということも多々あります

 

というように「皇室」と「王室」は違うものなのですが、日本の皇室というのは他に類のない、あまりに特殊なものなので便宜上「王室」と同列に語られているというわけです