「有り難い」の意味と語源

「有り難い」という言葉があります

ありがたくないことよりも、ありがたいことの方が嬉しいですね

 

なかなか漢字で書くことはないですが、この「有り難い」という言葉の意味を考えたいと思います

 

 

「有り難い」の意味

漢字で書くと

・有り難い

有難い

・難有い

と書きます

「難有い」というのは現代ではなかなか見ないですが、森鴎外や夏目漱石、芥川龍之介などの明治時代の小説で見れます

 

漢字の通り「有り難い」という言葉の意味は

 

有ることが難しいほど稀有なこと

 

という意味ですね

「有り難い」の語源

有り難いの語源は仏説譬喩経ぶっせつひゆきょうの中の釈迦が阿南という弟子に語った「盲亀浮木もうきふぼくたとえ」というものにあります

 

仏説譬喩経-盲亀浮木の譬え

釈迦は問います

「那由多に広がる大海に、100年に1度だけ海面に顔を出す盲目の亀がいる

この盲亀が海面に顔を出した拍子に、たまたま漂っていた丸太のたまたま空いていた小さな穴に盲亀の頭が入ることがあるか??」

驚いて阿南は答えます

「何兆年も時間を掛ければありえるかも知れませんが、無いと言って差し支えないほどありえないことです」

釈迦は答えます

「阿南よ、この盲亀がたまたま漂っていた丸太のたまたま空いていた穴に頭が入ってしまうことが有るよりも私たち人間が生まれてくることは難しいことだ

有り難いことなんだよ」

 

 

僕なんかは「大袈裟すぎんだろwww」と思ってしまいますが、これくらい人間が人間として生まれ、存在していることは「滅多に無いこと」「有り難いこと」ということですね

 

この「有り難い」が転じて、今でも使う「ありがたい」「ありがとう」という言葉になりました

希少な有り難いことを探す

希少な物、稀有なことに価値を感じる「希少価値」という概念があります

人間は環境に適応して慣れていく生き物なので、どうしても「良い」と思うことは少なくなっていきます

この辺はパレートの法則(8:2)、ユダヤの法則(78:22)や3:10:60:27の法則などに収束していきますね

残念ながら、数字の小さい方が「良い」と思う方です…w

 

大多数の「特別良いと思わないこと」に希少な「良い」が覆い隠されてしまいがちですが、少しでもこの「良いこと」「有り難いこと」を見つけていければいいですね